習癖指導
正しい鼻呼吸を覚えるための「あいうべ体操」
「あいうべ体操」で正しい鼻呼吸を身に付けましょう
正しい鼻呼吸を身につけていただくために、「あいうべ体操」はとても大切です。本来、人間は鼻で呼吸をします。母乳の時の赤ちゃんはすべて鼻で行っていますが、鼻炎や癖などで口で呼吸する割合が高まると、口呼吸の方が空気の量を多く取り込めることから、鼻呼吸より口呼吸が中心になってしまいます。
口呼吸を続けているとさまざまな健康への弊害があります。
「あいうべ体操」を覚えて、正しい鼻呼吸を身に付けましょう。
よく噛んで食べるようにしましょう
- ● 離乳期に正しい食べ方を身に付けられるようにしておきましょう
- ● 「早く食べて」と急かさないようにしましょう
給食時間が、楽しい子どもと苦痛な子どもがいます。給食の時間には、離乳期からの食べるトレーニングの蓄積が表れます。好き嫌いが多い、食べるのに時間がかかる子どもは給食が苦手になりがちです。
咀嚼の反応を確かめずに食べ物をスプーンで押し込まれて育った子どもは、噛んで飲み込む一連の作業が不得意です。忙しい朝の時間にだらだらと食べていると、つい「早く食べて」と急かしたくなりますがゆっくり噛んで味わう時間を大切にしましょう。
指しゃぶりは無理なくやめさせるようにしましょう
- ● 生活リズムを整え外で遊ぶことを覚えさせましょう
- ● 家の中でも指を使って遊ぶ機会を増やすようにしましょう
一般的に3歳までの指しゃぶりは気にしなくてよいと言われていますが、指しゃぶりの習慣が長期間続くと、出っ歯になったり、前歯を咬み合わせたときに隙間ができる恐れがあります。ただし、無理にではなく自然にやめさせる事は難しくありません。習慣化した指しゃぶりでも保育園や幼稚園での子どもどうしの交わりの中で自然に消えていきます。また、生活のリズムを整え、外遊びをさせ、家の中でも指を使って遊ぶ機会を増やすようにし、寝付くまでの間子どもの手を握ってあげることで無理なく指しゃぶりは消えていきます。
キシリトールを摂取するようにしましょう
- ● 一日3回キシリトール製品を摂取し、お口の中をきれいにケアできるようにしましょう
むし歯予防で使用するキシリトールのほとんどはガムのかたちを取っていますが、幼い子どもはガムを上手に噛めませんし、のみ込んでしまう危険もあります。したがって、2歳まではガムではなく、タブレットやグミがよいでしょう。
キシリトールがなるべく長く口の中にあると効果的なので、タブレットの場合は噛むのではなく、舐めるように教えてください。ガムを噛めるようになれば、ガムがお薦めです。
甘いものに偏った食習慣をつけないようにしましょう
- ● 甘いものに偏った食習慣をつけないようにしましょう
- ● 果糖が多く含まれている果物や蜂蜜の摂取には、注意をしましょう
甘いもの好きの習慣をつけてしまうと、むし歯になるリスクを高めるだけでなく、お子さんの生涯の健康にとって、とても大きな障害になります。
甘いものの代表はお砂糖ですが、砂糖はからだの中でブドウ糖と果糖に分解されます。からだを動かせば、ブドウ糖は分解されるのですが、からだを動かしても果糖は分解されません。小腸から吸収された果糖は、肝臓で脂肪になりますが、肝臓の処理能力を超えた果糖は血液中に入って全身で糖化反応(グリケーション)を起こします。糖化反応は、糖がからだの中のタンパク質と結びついて老化物質をつくる反応です。これが怖い糖尿病の原因です。ふだんから砂糖や異性化糖(HFCS、ブドウ糖果糖液糖など)をたくさん摂っていると、糖化反応が進んでしまいます。
口を使った遊びを覚えさせましょう
- ● 親子での遊びの中で、楽しみながらお口の機能を発達させていきましょう
- ● 食べるときにくちゃくちゃと音がなってしまうお子さんは口遊びはじめさせましょう
子どもは、口を使った遊びが大好きです。できないことができるようになると、とても楽しいものです。「お行儀が悪い」とやめさせてしまうお母さんがいますが、やっていいときといけないときをわきまえるのが「行儀」です。おもいっきりやっていいときをつくってあげましょう。
シャボン玉は、口をすぼめてストローを静かに吹くことができないと、うまく膨らみません。口を閉じないと、にらめっこはできません。口をすぼめて、舌を細く丸めて息を静かに吹くと、口笛が鳴ります。遊びながら口の発育ができて、上手に食べること、上手に発音すること、素敵に笑うことが身につきます。口を閉じることができないお子さん、上手に発音できないお子さんには、ぜひ、お父さんお母さんが一緒になって遊びを始めましょう。口を使った遊びのなかで口唇や舌がコントロールできるようになります。